【ひと to ひと 通信vol.1】
作成日 2025/08/06

こんにちは!ひとtoひと通信です!

「いっぱい働きたいのに130万円の壁で働けない」
そんな話聞いたことはありませんか?

なんと、その金額などに関して
2025年10月より要件の見直しがされることとなりました!
他にも様々な賃金の議論がありましたので、
情報をまとめてお送りいたします。

この記事は、東三河専門の現職で転職サポートをしている弊社スタッフが、
耳寄りな情報をお届けいたします!

学生アルバイトの社会保険の扶養基準年収150万円まで拡大へ

19歳以上23歳未満の人の健康保険の認定対象者の年間収入について、
現状、年間収入に係る認定要件の額が現状130万円未満であるところ、
認定対象者(被保険者の配偶者を除く)が19歳以上23歳未満である場合にあっては150万円未満として取り扱うことが正式に決定しました。

この取扱いは令和7年度税制改正において、就業調整を避ける観点や人手不足への対応として、
特定扶養控除の要件見直しや特定親族特別控除の創設が行われたことを踏まえたものです。
2025年10月1日から適用されることになっています。
年齢要件(19歳以上23歳未満)の判定については、所得税法上の取り扱いと同様、
その年の12月31日現在で行うと示されています。
学生か否かは問わず、年齢のみで判断されるとのことです。

とくに飲食・小売・物流など、学生アルバイトが支える業界にとっては戦力確保の追い風となります。
人手不足が深刻な中、「もっとシフトに入りたい」という学生に働いてもらいやすくなる点で、企業側にもメリットが大きい改正ですね!

雇用保険の新しい給付「教育訓練休暇給付」

雇用保険法等の一部を改正する法律に関して、2025年4月以降段階的に施行されていますが、
その中の一つとして10月1日より教育訓練休暇給付金が創設されます。

これは、従業員が離職することなく教育訓練に専念するため、
自発的に休暇を取得して仕事から離れる場合、失業給付(基本手当)に相当する給付として
賃金の一定割合を支給することで、訓練・休暇期間中の生活費を保障する制度です。

雇用保険加入者で、加入期間が5年以上・直近2年間に12ヶ月以上の経過がある場合に支給対象となります。

最新・行政の動き

労働時間延長へ新コース「130万円の壁」に対応 キャリアアップ助成金

厚生労働省は7月1日、「年収130万の壁」によるパートなどの働き控えの解消に向けた対策として、
キャリアアップ助成金に「短時間労働者労働時間延長支援コース」を創設しました。
令和83月末までの時限措置である社会保険適用時処遇改善コースの
労働時間延長メニューへの要件や助成額を見直し、同コースに加えて新設したものです。

社会保険適用時処遇改善コースが「年収106万円の壁」への対応として設けられているのに対し、
新コースでは年収130万円程度で働く労働者の社会保険加入時に手取りを減らさないようにする事業主の取組みを応援します。
既存コースの労働時間延長メニューに比べて、1人当たりの助成額を手厚くしました。
労働者が社会保険の適用を受ける際、所定労働時間を週5時間以上延長させるなどの取組みを行った事業者に対し、
2年間で労働者1人当たり最大75万円を支援します。

新コースは、今年71日以降、
労働時間を延長して新たに社会保険の適用となった労働者または、
社会保険適用後に労働時間を延長した労働者を対象とします。

新コースを利用するには、事前にキャリアアップ計画書を作成・提出した上で、
労働時間延長などを6ヶ月継続し、その後2ヶ月以内に支給申請をする必要があります。
社会保険適用時処遇改善コースの「労働時間延長メニュー」または「併用メニュー」に基づく労働時間延長など進めた場合であっても、
支給決定前であれば新コースに切り替えて申請できます。

ニュース

SNSの対応加える 職場情報提供手引を改訂 厚労省

厚生労働省は、企業が求職者に対して働き方などの職場情報を提供する際の留意点をまとめた
「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」を改訂しました。
インターネットやSNSで募集する際の開示・提供事項に関する記述を追加。
いわゆる闇バイトなどの犯罪実行者の募集との誤解を生じさせないよう、
募集者の氏名(名称)、住所、連絡先、業務内容、就業場所、賃金を記載する必要があるとしています。

手引では、求職者に正確な情報を提供する観点から、
定義があいまいな情報のほか、長期間更新されていない情報や、
利用実績が明らかではない制度の情報を見直す必要があると指摘しています。

改訂版ではさらに、職業安定法において、労働者を募集する際に求人情報や自社に関する情報の的確な指示が義務付けられ、
虚偽の表示又は誤解を生じさせるような記載が禁止されている点を明記しました。

15年後見据えた人事施策検討 大企業交えて話合い 関東経済局・地域の人事部

経済産業省関東経済産業局は、
専任の人事担当者がいない中小企業向けに、
自治体や金融機関らと協力して支援を展開する「地域の人事部」について、
長期的な支援継続・強化を目指し、新事業を開始する。

生成AIの発展や非中央集権化など、2040年に企業が直面し得る経済状況や社会課題を議論する「未来創造ワークショップ」を3回開催。
地域の人事部、大企業、地場の中小企業の3者が参加し、課題解決に向けて、「地域の人事部が行う人事施策は何が必要か」を話し合います。

同経産局は、ワークショップでぎをんする課題の一例として、「生成AIがより主流になり、中小企業も活用が迫られる状況」を挙げます。
AIを活用できる人材育成のため、地域の人事部では何ができるかを検討します。

ワークショップでは、地域の人事部が来年から実際にどのような取り組みを講じていくかまで議論します。同経産局産業人材政策課は、「通常は世の中が変わってから自分達も変わるという受け身になりがち。ワークショップでは、未来のことを話し合ったうえで、実際に来年からそれに向かって踏み出すような第一歩の施策を作ってもらう」と話しています。
ワークショップの結果は成果報告会を開き、横展開を図ります。

受診体制整備で支給 がん検診促進へ奨励金 徳島県

徳島県は、がん検診を受けやすい職場環境の整備に取り組む企業への奨励金制度を創設しました。
受診費用を負担する社内制度などを導入したうえで従業員にがん検診を受けさせた場合、
受診者1人につき5,000円、1事業者当たり最大25万円を支給します。
申請は、9月中旬から受け付けます。

対象となる取組みは、
①従業員1人当たりの検査費用を1,000円以上負担、
②定期健康診断の項目にがん検診を追加し、費用を全額負担、
③検査のための特別有給休暇または勤務扱いとする制度の3つ。
①〜③のいずれか1つ以上を実施して、従業員に胃がんや肺がん、
大腸がんなどに関する検診を今年7月〜12月末に受けさせることを要件とします。

同県では、がん検診の受診率が低い現状にあります。
特に大腸がんの検診の受診率は40.5%に留まり、全国での順位は41位となっています。
同県は忙しさを理由に受けない人が多いとして、事業者による体制整備を後押ししていきます。

中途入社の研修充実 採用増で早期適応促す 日鉄物産

日鉄物産株式会社は、中途入社者の増加に伴い、
業務や企業文化に早期に適応してもらうため、研修を充実させています。
新卒の入社研修に組み入れている社内制度や業務遂行体制などの説明会を毎月実施するほか、
その後の研修の回数も年2回から4回に増やしました。
中途入社車間の横のつながりを形成するため、グループワークや懇親会も実施しています。

同社は海外展開を促進するなか、海外案件の取扱い経験が豊富な法務担当者や、
海外営業・貿易業務経験者の中途採用を強化しています。
2023年度と24年度にそれぞれ49人を中途採用しており、全体の採用人数の4〜5人割中途採用が占めています。
中途採用者の年齢層は20歳代後半〜30歳代後半がボリュームゾーンで、早期に戦力化していきたい考えです。

監督指導動向

40歳から転倒対策を身体能力低下の情報紹介 東京労働局リーフレット

東京労働局は、管内で昨年発生した休業4日以上の労働災害の約3割を占める転倒災害の防止に向けて、加齢による身体機能の低下に関する情報をまとめたリーフレットを作成しました。40歳代の2割が、加齢に伴う身体の応力の低下により健康障害を起こしやすい「フレイル」状態であるデータを紹介しました。40歳代といった若い時期からでも、転倒防止に向け、筋力トレーニングやストレッチが必要としています。

50歳代後半では、20歳代前半によりも身体機能が大きく衰えることを示しました。転びやすさに直結する「平衡機能」は、20歳代前半を100%とした時、50歳代後半で48%にまで落ち込むと言います。

昨年に発生した30〜40歳代の転倒事例も紹介します。
食料製造業の44歳の労働者は食品バットを持ち歩いているとき、
濡れている床に気づかず滑って転倒し、休業見込み1ヶ月を要するケガを追っています。

同労働局安全課は、
「年齢とともに、少しずつ身体機能は衰えていく。40歳代から、適度な運動や栄養バランス、休養を心掛けてほしい」と話しています。

リーフに合わせて、特設サイトも公開しました。
対策に役立つ、運動や食事バランスに関するリンクをまとめています。

送検

無効な36協定下で残業させ送検 岩国労基署

山口・岩国労働基準監督署は、有効な36協定を届けることなく、
外国人技能実習生に時間外労働を行わせたとして、
プラスチック製品製造業者と同社課長を労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで
山口地検岩国支部に書類送検しました。

同社は令和5年1月、製品の箱詰めなどの作業に従事していた技能実習生12人に対し、
1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて叩かせた疑い。
時間外労働は最長の者で月89時間に上回っていました。

同労基署によると、同社は月79時間を限度とする特別条項付き”36協定”を締結していましたが、
その際、人事担当者が一方的に進んだ労働者に、過半数代表者として署名を行わせていました。
過半数代表者が民主的な手続きを経て選出されておらず、協定無効と判断しています。

調査

職場における熱中症による死傷災害の発生状況 厚労省

厚労省は2024年の職場における熱中症により死傷災害の発生状況を公表しました。
熱中症による休業4日以上の業務上疾病者数は1257人で、統計を取り始めた2005年以降最多となりました。
うち死亡者数は31人となり、死亡災害の統計を開始した1989年以降、2番目に多くなりました。

時間帯別に見ると、午前が430人、17時台が99人、18時台以降が115人でした。
全体に占める割合は、順に34.2%、7.9%、9.1%。午前中や気温が下がった17時台以降でも発生している状況がうかがえます。
17時台や18時台以降での死亡者数は計6人となり、
「日中には重篤な病状は見られなかったにもかかわらず、作業終了後や帰宅後に体調が悪化した事案が含まれる」と分析しています。
参考リンク:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58389.html

実務に役立つQ&A

残業時間数は必要? 労働条件通知書に記載

Q.アルバイトに残業を命じようとしたところ、労働条件を通知した際に明示した時間数を超える恐れが出てきました。ふと疑問に思ったのですが、正社員の採用時には時間数を明示していなかった気がします。アルバイトには明示が必要なのでしょうか?

A.短時間労働者や機関の定めのある労働者に明示すべき労働条件は、いわゆる通常の労働者と基本的に相違ありません。
ただし、労基法第15条に基づく事項以外に、昇給や退職手当、賞与の有無のほか、相談窓口の明示が必要です。
共通の明示事項に、所定労働時間を超える労働の有無(労基則5条)があります。
アルバイトらに対し、事業主はできるだけ所定労働時間を超えないよう努める必要があり(平19・10・1厚労省告示326号)、労働条件のモデル通知書には所定外労働の時間数を書く欄が設けられています。
なお、記載要領では、時間数は、労基法により義務付けられた事項ではないとしています。
就業規則と異なる労働条件を合意していた部分は、合意が優先すると労契法7条のただし書きにも留意が必要でしょう。

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